ホーム > 世界の水と衛生の問題
今世界では、毎日約1,400人もの子どもたちがトイレと汚れた水の問題から下痢をわずらい、脱水症状などで命を落しているという事実があります。開発途上国では、もともと充分な栄養の摂取自体が難しい上に、水と衛生の問題が引き起こす下痢は子どもたちの栄養の摂取をさらに妨げ、マラリアや肺炎など、病気に対する抵抗力を奪い、尊い命を危険にさらす元凶となっています。
また、トイレと給水設備の無い学校は、さまざまな問題から、子どもたちの学業の時間を奪ったり就学率の低下を招いたりしています。 つまり、水と衛生の適切な設備と知識の普及、生活習慣の改善・定着は、厳しい環境に生きる開発途上国の子どもと家族の、命と健康を考え、将来への道を切り開く上で最初の一歩と言うべき、深刻かつ緊急な問題といえるのです。
現在、世界の人口の約36%の人々にはトイレなど基本的な衛生施設がありません。そして、7億4,800万人の人々が安全ではない水を日々の生活に使っています。また、水くみは、たいてい子どもや女性の仕事です。 遠くの川や池まで毎日水を何度も汲みに行くために、学校に通う時間がない子どももいます。 家庭や学校に、衛生的なトイレや給水施設をつくる、学校教育や保健活動を通じて住民に衛生習慣を広めるなど、ユニセフは40年以上にわたって、人びとが安全な水と衛生施設を手に入れられるよう、活動を続けてきました。国際社会の共通目標であるミレニアム開発目標に基づく活動も、世界各地で進んでいます。
それを受け東ティモールでも、子ども・若者・女性が、栄養不良や病気、高い死亡率から解放され、改善された学習環境の中で質の高い生活が送れるよう、ユニセフは「水と衛生の5ヵ年計画」(2009-2013)※をスタートさせています。nepia千のトイレプロジェクトでは、この中でも重要な「コミュニティの水と衛生」に関する活動を支援。ミレニアム開発目標の達成に向けて、農村部での衛生設備(トイレ)不足の問題に取り組んでいます。対象地域のコミュニティに対し、トイレづくりに必用な資材を調達し提供してきた従来の支援から、村人たちが衛生と健康について話し合い、自主的に屋外排泄をしない村になろうと決めたり、トイレをつくったりできるよう指導する新しい支援へ。世界各国で成果をあげているCLTS(Community Led Total Sanitation)という支援スタイルは、東ティモールでも実を結びはじめています。
※ユニセフ 東ティモール国別活動計画(5ヵ年計画)は2009-2014に延長しました。