ホーム > nepia千のトイレプロジェクトとは ・ プロジェクトの支援内容
ユニセフ・東ティモールでは、村人たち自身が主導して、衛生的な環境をつくりあげていく「CLTS(Community Led Total Sanitation)」と呼ばれるアプローチを導入しています。
村で暮らす人たちが、自ら、屋外排泄の問題とトイレの必要性に気づき、自分たちの力でトイレをつくりあげていく、そのプロセスを、ユニセフや現地NGOのスタッフが継続的にサポートしていきます。また、給水設備の建設や、トイレがつくられた後のプロジェクトのモニタリングも実施。最終的に、病気の原因となる屋外排泄の根絶を目指していきます。
東ティモールでのトイレづくりは、第2フェーズまでは、便器やセメントなど、必要な資材をユニセフが提供する形で行ってきましたが、第3フェーズ以降は、地元で手に入る素材を使い、資材提供に頼らず自分たちの意思でトイレをつくるCLTS(Community Led Total Sanitation)という手法を用いて実施されています。
この手法は、アジアやアフリカでの成功事例をもとに、東ティモールにも導入された衛生改善のアプローチです。
以前の手法に比べて、CLTSによるトイレづくりは、トイレの耐久性が低いものの、自らの手でトイレの修理や、建て替えが可能というメリットがあります。また、衛生的な生活の普及がスピードアップすることが期待されています。
東ティモール国勢調査のデータなどをもとに、衛生環境の改善が必要な対象地域を選定します。
まずは、対象コミュニティのリーダーへ働き掛け、コミュニティ全体で衛生環境の改善を進める準備を行います。
©日本ユニセフ協会
不衛生なトイレ。
蓋がなく、ハエを防げない。
コミュニティがトイレづくりを進めるかどうかを決めるもっとも重要なステップです。現地のNGOがコミュニティの集会所に住民を集め、現在の不衛生な状況と、トイレの必要性をワークショップ形式で説明します。このトリガリングによって、住民が自らトイレの必要性に気付き、トイレづくりの決意表明を行います。CLTSアプローチでは、このトリガリングを成功させるため、NGOのスタッフの育成、スキルアップが重要とされています。
コミュニティのトイレづくりが完了後、屋外排泄の形跡がないか、建設されたトイレが改善されたトイレとしての基準を満たし、使用されているかの調査を行い、コミュニティが屋外排泄根絶を達成したことの認定を行います。
認定後、屋外排泄根絶セレモニーを行い、住民代表が屋外排泄根絶を宣言します。
©日本ユニセフ協会
©日本ユニセフ協会
CLTSでのトイレづくりは、村人が調達が可能な資材を使って行うため、出来上がるトイレの姿かたちは様々です。便器やタンクなどの資材を自分で買って、トイレをグレードアップする家庭もあります。
トイレの建設資材を作ってコミュニティの内外に販売する、女性を中心としたグループへの研修も進められています。新たな現金収入獲得の手段となり、また、衛生に対する意識の向上にも寄与します。
©UNICEF/Timor Leste
©日本ユニセフ協会
自分で建てたトイレは、愛着を持って、きれいに使われています。立派なトイレを建てることが、コミュニティの中でのステータスになっているケースも見られました。