nepia 千のトイレプロジェクト2010

nepia 千のトイレプロジェクトは、
みなさまからのたくさんのご支持を力に、2年目へ。

2008年からはじまったnepia千のトイレプロジェクト。2008年のキャンペーンでは、おかげさまで目標以上の大きな成果を達成し、東ティモールでは、すでに1,200以上のトイレの建設・修復や衛生教育を進めていますが、2002年に独立したばかりのこの国は、まだ多くの支援を必要としています。2008年の成果と水と衛生の現状を確かめるため、nepia 千のトイレプロジェクトチームは、2009年6月、東ティモールを訪れました。

「トイレを使うようになってから、手を洗ったり、衛生的な生活をおくれるようになりました。」

ロアナ村:2008年支援対象地域

翌日、プロジェクトメンバーは、2008年のプロジェクトの支援対象地域である、エルメラ県のロアナ村へ向かいました。ロアナ村は、首都ディリから車で4時間かかる山奥にある村。首都からの道が険しく、通信手段もないため、プロジェクトを進める上では難しい場所ですが、さまざまな困難を乗り越えながら、支援が進んでいる様子を見ることができました。
そこでは、トイレは着実に建設が進み、完成したトイレのいくつかを見学することができました。


ロアナ村の様子。


ロアナ村の人々。

ロアナ村ではコンクリートの元となる土のとれる場所が、村の近くにあるため、トイレの壁をコンクリートのブロック材で作っていました。中には、親子でつくった綺麗なブロックの壁もありました。
頑丈につくられたトイレからは、 トイレを大切に使おうとする気持ちが伝わってきました。


建設された家庭用のトイレ。コンクリートブロックの壁で建設している。


トイレ内部の様子。タイルで装飾したり、鍵や棚を取り付けるなど、独自の工夫が見られた。

インタビュー

Marcos マルコス (40歳 農業とコーヒー栽培)

「トイレの中に貯水槽があり、共同水源から水を運び、そこに水をためて使っています。今は、家のそばに水が貯められるようになったので、子どもの体も洗えるようになりました。
トイレの壁はできましたが、屋根とドアはまだ建設中です。早く完成させたいです。」

Diberata ディベラタ
(30歳 自分のお母さんと9歳の息子と12歳の息子と暮らしている)

「トイレをつくることができて、すごくうれしいです。トイレを使うようになってから、手を洗ったり、おしりを水で洗うようになって、衛生的になりました。」

Duarti ドゥアルテ (9歳 DIBERATAの次男)

「トイレづくりでは、土や砂を運ぶお手伝いをしました。トイレができる前は、おなかが痛くなることがあったけど、今はありません。トイレがとても大切です。」

Orandina オランディーナ (70歳 息子が集落長)

「自分の息子が集落長なので、村の人たちがすべて作り終えてから、最後にトイレを作ろうと思っています。トイレがもしできたら、自分の子どもたちや親戚に、トイレを使わせてあげられることがうれしい。それから、お客さんにトイレがありますかと聞かれて、あります、 と言えるようになることがうれしいです。
集落長の息子は、村のトイレづくりの難しい調整をしていたが、きちんと解決し、トイレづくりが進んでいることをとても誇りに思っています。」

Santurnino サンターニーノ (46歳 村長)

「このプロジェクトをサポートしてくれることに感謝しています。東ティモールが独立したとき、水やトイレの施設が壊され、病気が蔓延してしまいました。
再びトイレや水の施設ができてからは、村の雰囲気が変わりました。たとえば、子どもたちが学校に行く前に、水浴びをしてから行くようになったり、野菜なども洗ってから食べるようになったので、お腹を壊すことが減りました。
衛生の情報はNGOが教えてくれます。
今は自分たちの生活が少しずつよくなっているのを感じています。子どもたちにもだんだん賢く知識がついていくことで、村の生活レベルも上がっていくことを望んでいます。」

Esperansa エスペランサ (32歳 夫と子ども5人)

-彼女の家は、給水設備ができたことで、村の生活に新しい可能性を生み出した良いモデルケース。給水タンクができた後、水を引き畑で農作物をつくり、近隣に売ることで、彼女は年に75ドルの現金収入を得ることができました。そのお金で、通学に必要なサンダルや学用品を買い、子どもたちは学校に通えていると言います。水やトイレが行き渡ることで、その後に、村人が知恵を使い、村人自らの努力で新しい仕事を作り出すことができる可能性を感じました。