nepia 千のトイレ2012プロジェクト

事前視察レポート

フィールド視察2日目4月11日アイレウ県アスマウ村、トゥラタケウ村 

翌日、プロジェクトスタッフはアイレウ県へ。ここでは、屋外排泄根絶(ODF)の達成に向けて、トイレづくりを現在進めている集落と、給水設備が完成した村を訪問しました。

アイレウ県アスマウ村 屋外排泄根絶に向けて活動が進められていました。

アイレウ県アスマウ村レロリサ集落では、ODF宣言達成に向けてトイレづくりを進めており、83世帯中、34の世帯でトイレがすでに建設されています。その中で、4世帯のトイレを見学しました。
1世帯はタンクに貯めた水を桶で流して使用するタイプのトイレ、残る3世帯はいわゆる「ボットンタイプ」のトイレでした。経済的な事情や世帯主の衛生に対する意識の違いから、作られるトイレの形式が違いますが、屋外排泄根絶の目的は達成されています。

2つの世帯の方にインタビューしたところ、1世帯目は約2mの穴を堀り、4人家族なので、約10年はもつだろうと話してくれました。もう1つの世帯は、1.4mの穴を掘ったトイレを10人家族で使用するため、2年弱で一杯になる見込みだと話してくれました。
両世帯とも、「今ではトイレは欠かせない。トイレの大切さを知った。今後はさらにトイレをよいものにしていきたい。」と話していました。

アイレウ県トゥラタケウ村 給水設備の開通式に立ち会いました。

アスマウ村訪問後、途中、郡庁を訪問し、水道局職員や、現地NGOスタッフの方とともにトゥラタケウ村を訪問。
トゥラタケウ村は、2010年に屋外排泄根絶宣言を達成しました。その後、水源からの本格的な給水設備の建設が始まり、この日は、その開通式が行われる日でした。村の入り口は、色とりどりの花が飾りつけられ、にぎやかな雰囲気に包まれていました。
我々が村に到着すると、伝統衣装を身にまとった人々が、盛大な歌と踊りで出迎えてくれました。
開通式では、新しくできた給水設備の前で、テープカットを行い、水の供給を村全体で祝いました。

給水設備の建設は、村にとって非常に重要です。
給水設備がない村では、水を汲むために水源まで何時間かけて往復することもあります。そうした場合、飲用や洗濯のために水の使用が優先されることとなります。手洗いなどの衛生習慣の定着のためにも、給水設備は不可欠です。

ユニセフは、給水設備の支援をトイレづくりが完了した後で行うことを基本としています。
これは、給水設備の建設を先に完了してしまと、トイレづくりに対するモチベーションが低下してしまい、トイレづくりが進まなくなってしまうことがあるからだそうです。

この村では、以前に別の団体によって、給水設備を整える話があり、途中まで計画が進んだのですが頓挫し、村全体が落胆する出来事があったそうです。今回、千のトイレプロジェクトの支援により本当に給水設備が完成したことに、村の方々は非常に喜んでいました。
村全体で屋外排泄根絶に向けて努力した結果、手に入れた給水設備。今後、手洗いの習慣が今以上に定着していくことでしょう。