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2014年5月15日(木)、Ainaro県Ainaro Villa manutasi村Raebatudu集落でトリガリングセッションが行われました。このトリガリングセッションはCLTSファシリテーターのリフレッシュ研修の一部で、ファシリテーターが実際に村でファシリテーションの演習を行う2日目となりました。トリガリングセッションの間、ファシリテーターは家族や村の衛生習慣を変えることに、情熱とリーダーシップを持っている住民がそのコミュニティにいないか、注意深く探ししていました。
Raebatudu集落でその情熱とリーダーシップを持っていたのがルシンダ・J・ダ・コスタ(Lucinda J da Costa)さんでした。ルシンダさんはトリガリングのプロセスで、屋外排泄を止めてこれまでの習慣を改めるようコミュニティに呼びかけました。
トリガリングから数日の間に、ルシンダさんの家のトイレは完成しました。
“私たちの村では5月15日にトリガリングが行われました。17日にトイレの穴を掘り始め、21日にはトイレが完成しました。”
ルシンダさんは続けます。“トイレは地元で手に入る資材を使って夫がつくりました。完成までに5日間かかりました。家のトイレが完成した後、夫はお隣のトイレをつくりましたが、そのときは3日で完成したんです。”
建設されたトイレは彼らが独自にデザインしたものです。地元資材を使用しているにも関わらずトイレは配管と排水穴を備えた注水式になっています。換気口や排泄物を流すパイプには太い竹筒が使用されています。この村には、パイプでつながれた給水設備が導入されているため、トイレを流すための水と、手を洗うための水は施設からバケツで運ばれています。
“私たちには尊厳と、子どもたちの健康改善のためにトイレが必要です。”ルシンダさんの5人の子どもたちは新しく建設されたトイレを使用しています。“トイレができる前は草むらに行かなきゃならなかったの。草むらに行くのはすごく怖かった。”とルシンダさんの娘は話してくれました。
新しくできたトイレの前に立つルシンダさん一家とネピアスタッフ
建設したトイレの前で。 ルシンダさんの近所に住むレカーディナ(Recardina)さん
ルシンダさんのトイレづくりは自宅のトイレ建設にとどまらず、村の中でルシンダさんが所有する別の場所にも及んでいます。これまでに4つのトイレが完成し、現在はそのうちの1基を改良しています。トリガリングからまだ1ヶ月以内ですが、様々な場所にトイレをつくることが、この地域から屋外排泄がなくなることにつながっています。 ルシンダさんの情熱とmanutasi村の屋外排泄根絶に向けた献身的な行動を受け、地元NGOのAMARはトリガリングに力を貸してもらうためルシンダさんを近隣集落に招きました。ルシンダさんは自らの経験やトイレをつくることの大切さを説明し、隣村の人びとを激励しました。 “トイレづくりにお金はかかりません。私たちは、私たちの尊厳と子どもたちの健康について考えなければなりません。私の家のトイレと同様に、みなさんも地元の資材でトイレがつくれます!”とルシンダさんはトリガリングで説明しました。
近隣のコミュニティで行われたトリガリングに参加し村人に語りかけるルシンダさん
(写真撮影およびルシンダさんへのインタビューはユニセフ「水と衛生」担当官Carionn Da Costaによって行われました。 )