nepia 千のトイレプロジェクト2008

2008年4月21日〜25日までの5日間、nepia 千のトイレプロジェクトメンバーは、
支援対象国である東ティモールを訪問し、各地域の視察を行ってきました。

現地レポート:
王子ネピア株式会社 nepia 千のトイレプロジェクトリーダー
今敏之

Part1 東ティモールを訪れたプロジェクトチームが出会ったもの。それは、一刻も早く解決すべき、トイレと水の問題。そして、子どもたちの夢と笑顔でした。

5歳未満児の死亡率が、1,000人中130に及ぶという厳しい現実。
下痢をわずらう子どもが、数多くいます。

向かった先は、プロジェクトでトイレ設置の対象となっているファヒティ村です。首都ディリから車で約1時間、山あいの凸凹道を抜けて村の小学校に到着すると、伝統衣装を身にまとった男の子は勇壮な舞いで、女の子は美しい舞いで出迎えてくれました。

nepia 千のトイレプロジェクトへの村人たちの大きな期待を感じ、胸が熱くなりました。歓迎ムードの中、挨拶に立った校長先生はこう訴えたのです。「この村ではきれいな水が手に入らず、衛生問題は深刻です。村全体が支援を求めています」。この言葉どおり、私は村の厳しい現状を目の当たりにしていきます。校舎の脇に、個室の簡易水洗式トイレが三つありました。しかし配水管が壊れて使えず、誰も修理方法が分からないため放置されたままです。

水で流せるトイレは村の53世帯の中でたったの1カ所。村長さんは、「水がないから生徒たちは手も洗えず、トイレも使えません。不衛生な環境が原因で、下痢やマラリアにかかる子どもがどんなに多いことか」と表情を曇らせました。東ティモール全体でも、給水・衛生設備が機能している学校はわずか39%しかないのです。