nepia 千のトイレプロジェクト2008

2008年4月21日〜25日までの5日間、nepia 千のトイレプロジェクトメンバーは、
支援対象国である東ティモールを訪問し、各地域の視察を行ってきました。

現地レポート:
王子ネピア株式会社 nepia 千のトイレプロジェクトリーダー
今敏之

Part4 トイレをつくるだけでなく、衛生的な習慣を定着させることがとても大切。

現地の小学校で開いた「うんち教室」の様子。

今回の視察では、日本トイレ協会のご協力により、2カ所の小学校で「うんち教室」を開きました。子どもたちに衛生の大切さを楽しく学んでもらう教室です。初めはきょとんとしていた生徒たちも、おがくず粘土を使って「うんち鉛筆」をつくる頃には大はしゃぎ。授業の最後には、みんな「SINTINA!(東ティモールの現地の言葉テトゥン語でトイレのこと)」と笑顔で叫んでいました。
衛生事情の改善にトイレの設置は必須ですが、加えて人々に衛生習慣が定着すれば、もっと病気は防げるはず。nepia 千のトイレプロジェクトがサポートするユニセフの「水と衛生に関する支援活動」では、トイレをつくるだけでなく、衛生習慣の定着も重要なプログラムのひとつになっていますが、啓発活動の大切さを改めて感じました。

滞在中に訪れた村や学校では、必ず大歓迎を受けました。特に子どもたちは、初めは恥ずかしがっていても、打ち解けるととびきりの笑顔で私と接してくれました。その一方で、「水とトイレが不足している私たちの苦しい現状を、ぜひ日本の皆さんに知ってもらいたい」と訴える村長さんや先生方からは、必死な思いが伝わってきました。独立してわずか6年ほどの東ティモールでは、人々が国づくりに懸命に努力しています。

この国を訪ねて肌で感じた、nepia 千のトイレプロジェクトへの大きな期待に応えるために、そして、この国で出会ったたくさんの笑顔を守るために、これから、このプロジェクトの意義と思いを一生懸命伝えていきたいと思います。最後に、ユニセフ東ティモール事務所・久木田純代表が語っていた言葉が心に残りました。
「独立したばかりのこの国は、今がいちばん大変で、今がいちばん大切なとき。今こそ、支援が求められているのです」。